「ごめん、今寝たところなの。」

「あ、そうですか。」

「ていうか、久しぶりだね。元気だった?高校卒業して大学に進んだんだっけ?」


「はい。今大学院で研究やってて。
あの…それで、こいつ……」


「ああ、脳の血管がプチーンって切れちゃってさ〜、一命は取り留めたものの、記憶障害なの。」


記憶…障害……


「じゃあ、俺のこと覚えてないんでしょうか…」


「わからないわ。かろうじて、家族のことはなんとなく覚えてたみたいなんだけど。」