俺たち3人は言葉を失った。
「その良介さんって、蒼井さんって人?」
「あ、そうですそうです。
蒼井良介さん。イケメンで、すっごいエリートで、話も面白くて人気あったんですよ〜」
…良介…さん?
まさか、な。
「あ、写真あったりする?良介さんの」
「携帯変えてないんであると思いますよ〜。ちょっと待っててくださいね…」
勘のいい雅も、気づいたかもしれない。
良介さんって、病院で出会った良介さんじゃ、ないよな?
「これです。
サークルのみんなで撮ったやつなんですけど、これが鈴香先輩で、その隣にいるのが良介さんです」
「うそだろ?」
ここにきて、初めて弥生が言葉を発した。
そっか、弥生も良介さんに会ってたんだ。
「なぁ、この良介さんって…」
「あぁ。」
病院で出会った良介さんだ。
きっと鈴香は記憶をなくす前から
良介さんに惹かれていたんだ。
俺なんかよりもずっと強く。

