「じゃあ、何から話そうかな…」


お姉さんも自分の分のコーヒーを持って、ソファの向かい側に座った。



「まぁ、そうは言ってもあたしの知ってることなんて少しだけだから、あんまり期待しすぎないでほしいんだけど…」



そう言うと、お姉さんは一口コーヒーを口の中に流し込んだ。





「大学に入学して少し経った頃ね、
お母さんに頼まれて鈴香の様子を見に行ったの。あ、ほら1人暮らしって大変じゃない?ちゃんとご飯とか掃除とか出来てるのか確認してきてって言われて。

今まで人見知りだった鈴香が嘘みたいにたくさんの友達紹介してくれたわ。
それはきっと、優馬くんたちのおかげね。

でもその友達の中で一番仲良さそうにしてる人がいて、たしか1つ上の男の先輩だったの。
ちゃんと優馬くんたちと連絡取ってるのかって聞いたら、忙しくてそれどころじゃないってあっさり言われちゃって…
まぁ確かに学ぶことも多いし帰りが結構遅かったりしたから大変なのもわかるんだけどね…」



「あの…俺何度も高遠に連絡したんです。電話も、メールも…
1度も返事かえってきたことなくて…」



「ごめんね、、あたしが謝ったってどうしようもないんだけどさ…ほんとみんなには申し訳ないことしたと思ってる。」




お姉さんは深々と頭を下げた。