病院を出ると、もう日は暮れていて
綺麗な満月が俺たちを照らしていた。



「やっと聞けるんだね、鈴香のこと。
わたしたちずっと知りたがってたじゃない。」



そうだけど、
そうなんだけど、、


俺には恐怖しか感じられなかった。



鈴香の過去を知ってしまったら?
一体俺たちはどうすればいい?

もし、過去が俺たちを傷付けるようなことだったら?
触れちゃいけないようなことだったら?




「なんか、不安…だよな」


…弥生


「それでも、やっと知れるんだよ?少しかもしれないけど、分かるんだよ?
優馬だって鈴香がいなくなってどれだけ辛い想いしたか自分でよく分かってるでしょ?」


「やめなよ雅ちゃん…
優馬の気持ち考えてやれって。」


「…でもっ」


「いいよ2人とも。
ごめんな、悪いけどちょっと1人になりたいんだ。」



俺は2人をおいて
そそくさと家へ帰った。