「みんないつも来てくれてありがとう。
あら、雅ちゃん久しぶりね。」
病室に入ってきたのは鈴香のお姉さんだ。
高校時代、鈴香の家に遊びに行った時とかよくお世話になった。
「…お久ぶりです。」
「鈴香が倒れたとき、ずっと一緒にいてくれたんだって?ありがとう」
「いえ、そんな…」
「そうだ、良かったらみんなまたウチに遊びに来てよ。鈴香がいなくなってからのこと、わたしの知る限りのこと話すからさ。」
いなくなってからのこと…
高校卒業後の5年間…
俺たちの知らない5年間が
少しでも、明かされようとしているだ。
「話、聞かせてください。」
「じゃあ、今日はもう遅いから
明日の昼にみんなであたしの家来てよ。
あ、予定とか大丈夫?」
「俺は大丈夫です」
「俺も」
「…私も」
「問題ないね。じゃあそういうことで。」

