「なんか高遠ちゃん、眠り姫みたいだね〜」
「わ、佐久間くん上手いこと言うね」
「え〜だって俺、歩く電子辞書だもん」
「電子辞書関係なくね?」
「え、うそ。雅ちゃんどう思う?」
「電子辞書ってことは佐久間くん英語も出来るじゃん!」
「ちょ、待って俺が英語苦手なの知ってるでしょ?つーか質問の答えになってねぇ〜」
「普通歩く名言集とかじゃね?」
「さすが優馬…」
「お前がアホなだけ」
弥生がボケをかまして
俺や鈴香が鋭いツッコミをして
それを見た雅が笑って
そんな日がまた来ることを
俺は心のどこかで望んでるんだ。
みんなの視線の先に映る眠り姫は
ただ静かに瞳を閉じていた。

