< 優馬 side >



高遠が意識を失ったときいて、俺は飛んでやってきた。



「…雅?」


病室に入ると、ベッドの脇に雅が座っていた。


「あ、優馬…」


「なんで雅が…」


「あたし、鈴香が倒れたところにいたんだ。丁度2人で話しててさ。」



やっぱり、病院の前で見かけたのは雅だったんだ。



昨日の今日で鈴香に会いに行こうだなんて、ほんと雅の行動力には感心する。



「ごめん優馬」


「ん?」


「あたし、鈴香と一緒にいるのに自分ばっかり話しちゃって…鈴香の気持ちの変化とか身体の状態とか全然気にしてあげれなくて…
こんなことになったの、あたしのせいだよね…」


「…何言ってんだよ。雅がそんな責任感じることないって。」



その状況にいなかったから、俺はあんまり口出しできないけど、


その場にいて何も出来なかったら確かに自分に非があるんじゃないかって思うんだろうな。



鈴香の手を握りながら静かに泣く雅の姿は、いつもよりなんだか小さく見えた。