< 雅 side >



鈴香が許せないと思った。


わたしはずっと、優馬が好きだったから。

鈴香が優馬を好きだという気持ちを知って、自分の気持ち抑えて抑えて。


2人が幸せならそれでいいって身を引いた。


だけど、例え記憶障害だろうとなんだろうと
優馬を傷つけるなんて最低だ。


もうあたしが言ってやるって決めた。


優馬がなんと言おうと、
鈴香に真実を告げる。


じゃないと、彼女も一生思い出せるもんも思い出せないでしょ。


勝手なことしてるってわかってる。

きっと優馬だって鈴香に気を遣って
今までわざと言ってこなかったってこともなんとなくわかる。


でも、言うならあたししかいないじゃない。



覚悟しろ、高遠鈴香。