人に恋する悲しい猫

 
 
悲しくなって、猫らしくない日本語で泣いた。いや、日本語でしか泣けなかった。
 
くすん…くすん…っ
 
 
「どうしたの?」
 
可愛らしい声…。
 
 
「おうちは?」
 
どくん…どくん……
 
 
僕は声のする方を見た。
 
そこにいたのは―…
 
 
どんぐりおめめの少し、茶髪の幼い女の子が月明かりに照らされて羽や、キラキラが僕には見えた気がした
 
 
こんな夜中に、この子の方がどうしたんだろう?