「ってか、お前の昼メシは?」
早速お弁当を開けた一条君が、わたしの顔を怪訝そうに覗き込む。
「わ、わたしはこれを食べるので……!」
そう言ってビニール袋から出したのは、さっき踏んでしまったペチャンコのパン。
「お前、それ……!」
レオ君と言い合いをしてたかと思うと、ライ君はわたしが出したパンを見て顔色を変えた。
さっきまで怒っていたのに、どんどん真剣な顔付きになって行く。
「だって、もったいないし……!直に踏んだわけじゃないから、まだ食べれると思って」
だから、今日のわたしのお昼ご飯はこれ。
潰れたからって、味が変わるわけでもないし。



