ライ君の向かい側には一条君もいた。 整いすぎたその顔と、相変わらず圧倒的な威圧感を纏う一条君。 派手で不良っぽい風貌。 気崩された制服。 なぜかそれにドキッとして、目が合った瞬間、とっさにそらしてしまった。 ダメダメ! ライ君に用事があったんだった。 ビクビクしながらも、二人の側まで歩いて行く。 ライ君はそんなわたしを睨み付け、一条君は、何事かと首を傾げている。 「あ、えっと……これ!」 震える手でライ君に差し出したのは、わたしが持って来ていたお弁当。