「おばちゃーん、クリームパン1個とアンパン1個」
「俺はおにぎりね」
顔を引きつらせつつ、とりあえず近くまで向かった。
そこは人で溢れ返っていて、とてもじゃないけど入って行けるような雰囲気じゃない。
チビで華奢なわたしは、人の波に呑まれてすぐに潰れちゃいそうだ。
うー。
どうしよう……。
10個限定だって言ってたし、もしかしたらもう売り切れちゃったかな……?
でもでも!
一条君の為だもん。
勉強を教えてくれるんだから、何としてでもカレーパンをゲットしなきゃ。
そう思って、ゴクリと唾を飲み込んだ。
よーし。
いざ!



