とにかく!
カレーパンゲットの為に、急がないといけないということはわかった。
一条君の願いを叶える為にも、授業が終わったらダッシュで向かうしかない。
授業中、ちらちら時計を気にするわたしに、ゆらちゃんは終始呆れ顔だった。
ーーキーンコーンカーンコーン
お昼休みを知らせるチャイムが鳴ったのを聞いて、机の上にあった教科書やノートを急いで片付けた。
先生がキリのいいところで授業を切り上げたのを見て、日直がみんなに号令をかける。
「きりーつ。礼」
挨拶を終えると、途端にざわざわと騒がしくなり始める教室。
「ちょっと行って来るね!」
「まぁ、気を付けて」
「うん、ありがと!」
心配そうな顔を見せるゆらちゃんにそう言い残して、ダッシュで教室を出た。



