次の日。



「えっ!?カレーパン……?」



さらさらの黒髪をなびかせながら、ゆらちゃんが目を丸くしてわたしの顔を覗き込む。



「うん!カレーパンで手を打ってくれるって、優しいよね」



「いや、それ……パシらされてるっていうんじゃないの?」



笑顔のわたしに、ゆらちゃんは怪訝な目を向ける。



その顔は、明らかにあたしを心配しているようだった。



「カレーパンで手を打ってくれるんなら、その方がありがたいから別にいいの」



「琉羽……あんた、わかってないわね」



ゆらちゃんが深いため息を吐き出すのを、わたしは首を傾げながら見つめていた。