「お前なぁ。相手は族だぞ?トップが出て来たらどうすんだよ?」



「その時は俺も加勢するからな!」



心配そうな顔をするシュウと、途端に目を輝かせ始めるレオ。



正反対の反応を見せる2人を尻目に、それ以降口を閉ざした。



目を閉じると自然と頭に浮かんで来たのは、さっきの旧校舎での光景。



バカすぎる高梨に呆れ果てる俺の姿。



マジであんな点数取れる奴がいたなんて驚いた。



だけど、俺と高梨が会うのは初めてじゃない。



あいつは俺の顔を知らないようだったけど、なぜだかそれが無性にイラついた。



なんで忘れてんだよ。



1年の始めに出会ってるだろ。



忘れるなんてありえねぇし。


俺は覚えてたってのに。



問題を解こうと一生懸命ノートにかじりつく姿は、必死さが際立って優等生には見えなかった。