とにかく!


危険だから早くここを通り過ぎなければっ!



噂によると『彼』はこの階の一番奥の教室に潜んでいるらしい。



奥まではまだまだある。


こんなところでつまづくわけにはいかない。


辿り着いた頃には本当に倒れるかもしれないなと思いつつ、ゆっくり足を進めた。



っていうか


教室のガラス割れてるし……。


通ると絶対気付かれるじゃん!


よーし、こうなったら……。



バレないようにしゃがんで、床を這って行くしかない。



出来るだけ息を殺して四つん這いになり、そこを通った時だった。



廊下に何かが飛んで来た。



「きゃあ!」



怖くて思わず頭を塞ぐ。


そしてギュッと目を閉じて丸くなった。



うー

怖いよぉ。


誰か、誰かー!!



恐る恐る目を開けると、そこにはひっくり返った机があって。



窓から飛んで来た物の正体が、コレだとわかった。



それと同時に、声を出したことにハッとして慌てて口を塞いだ。



や、やばっ。


気付かれたかな……?


お、お願いだから聞かれていませんように。