立ち上がったその時、すでにドアのところまで歩いて行ってた一条君がくるりと振り返った。
「明日の放課後また来い。仕方ねぇから付き合ってやるよ。見返りは、購買のカレーパンでいいから」
「え……あ、はい」
そう言うと、一条の眉間にはまたシワが。
それだけでオロオロアワアワするわたし。
「敬語は使うなっつってんだろ」
低くなった声を聞いて、鼓動がドクリと鳴ってギョッとした。
「あ、うん……」
……カレーパンか!
お安い御用だ。
それで留年が免れるなら、わたしは喜んで何でもするよ。
本当に
バカでごめんなさい。