氷のように冷たい雰囲気を纏いながら、きっぱりと。 「お、お願いします!」 「なんで俺が」 「一条君しか頼れる人がいないんですっ!!」 「頼られても、無理なもんは無理」 そ、そんなっ。 「留年したくないんです!だからっ、お願いします!」 土下座とまではいかないけど、しゃがみ込んだまま一条君に向かって頭を下げる。 わたしにはもう、この道しか残されていない。