「顔、上げろよ」
「ムム、ムリ……っ」
恥ずかしくて、テンパる。
真っ赤な顔を見られたくなくて、わたしはさらにその胸に顔を埋めた。
「はぁ……自分からはこんな大胆なことして来といて、俺には我慢させるんだな?」
えっ……?
そう思ったのと、ムリに体を引き離されたのは同時で。
一条君の力に敵うはずもなく、上半身だけが少し離れて顔を覗き込まれた。
「わー!み、見ないでっ……!」
真っ赤だし、恥ずかしいしっ!
イタズラな一条君の瞳が、わたしの目に大きく映った。
「可愛すぎるだろ」
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