でもわたしのモケちゃんは、あの子だけっていうか。 行方不明になっちゃったけど、いつか戻って来てくれると信じてるんだ。 ど、どうしよう……。 この子も可愛いんだけど。 しかも、限定のリボン付きだし。 でもっ。 でもっ! 「ごめ……」 「おい」 そう言いかけた時、低く威圧感のある声が聞こえた。 もちろん、設楽君の声じゃない。 顔を上げてみると、そこにいたのは一条君で。 わたしじゃなくて、なぜか設楽君のことを思いっきり睨み付けていた。