泣き寝入りするのも嫌だし、留年するのはもっとやだ。
ということはもう、学年1位の一条君に教えてもらうしかない。
「っていうか、キミって優等生の高梨さんだよね?」
レオ君がまじまじとわたしの顔を覗き込む。
そんな点数を取るなんて信じられない、とでも言いたそうな顔。
爽やかに笑っているけど、目はそう語っていた。
「えっ?高梨って真面目で頭も良いって噂だろ?」
「なのに5点!?噂はガセだったのかよ?」
ううっ。
どんどんいたたまれなくなる。
っていうか、なにその噂!
頭が良いなんて誰が言ったの?
そんな噂、わたしは知らない。



