そんなわたしを見て、一条君はなんとも言えない表情を見せた。 そしてゆっくり立ち上がると、人をかき分けてわたしの目の前に立って、上から見下ろされる。 「バカ。ムリに笑ってんじゃねーよ」 不意に伸びて来た一条君の指が、わたしの頬にピタッと触れた。 触れた先は、さっき背中を押された時に出来た頬の傷。 「ごめんな」 優しくそこに触れながら、一条君はわたしの耳元でそう囁いた。