「はぁはぁ……」
息が上がっていたけど、追いかけて来ているかもしれないと思うと、足を止めることが出来なかった。
大きなバイクの轟音が遠くから聞こえて、余計に恐怖心を増して行く。
「いたぞー!!こっちだ!」
ひぃ!!
み、みつかった!?
恐怖から振り返ることが出来ない。
大きな公園の前を通り過ぎて、その傍にあった細い道に入る。
脇目もふらずにひたすら走った。
「はぁはぁ……っ」
く、苦しい!
ヤバい!
細い道に入っても、出るところは一つだから先回りされていたら終わりだ。
出口の方からバイクの音が聞こえた気がして、わたしはここで初めて足を止めた。