「お前、一条のオンナなんだ?」
恐怖のあまり声が出ず、小さく首を振る。
「じゃあなんでここにいるんだ?」
そ、それは……。
唇を噛み締めながら俯く。
ここで本当のことを言うほど、わたしはバカじゃない。
一条君に迷惑がかからないよう、知らないフリをするのが1番なんだろう。
だから、そうしようと思った。
適当な理由をつけて、一条君とは関係ないんだって。
「ま、お前みたいな優等生が、気性が荒くてケンカばっかしてるような一条を好きになるわけねーか」
銀髪の男は、一条君を見下すようにフッと笑った。
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