「誰だって聞いてんだろうが!」 「……っ」 響き渡る怒声と、わたしを睨み付けて来る顔に恐怖心が煽られて縮こまる。 こ、怖いよ……! 「こいつ、もしかして一条のオンナっすかね?」 ビクビクしながら目を離せずにいると、バイクに乗った1人の男が疑うようにわたしを見る。 「ふーん。オンナ、ね」 だんだん近付いて来るその人。 唇の端を上げてニヤリと笑うその顔は、すごく気味が悪い。