頭ではわかるのに、体が動かない。
ど、どうしよう……。
そう思っている内に、バイクはあっという間に一条君の家の前までやって来た。
派手に改造したバイクの数々と、1番後ろからワゴン車が1台やって来てとまる。
わたしは目を見開きながら、身動きひとつ出来ずに固まっていた。
どどどど、どうしよう……。
明らかに悪い人達だよね!?
まさか……!
この人達が、一条君を狙ってるっていう噂の……。
ーーゾクリ
背中に悪寒が走り、冷や汗が流れる。
もしそうだとしたら……。
「誰だ、テメーは」
その中でも派手な銀髪の男が、冷たく鋭い目でわたしを睨んだ。



