帰りたいと思う気持ちと、話したいという思いが入り混じり、結局重い足をなんとか動かして家の前までやって来た。
だけど、なかなかインターホンを押すことが出来ない。
手が震えてしまい、嫌な顔をされたらどうしようとか、ムシされたらどうしようとか。
そんなネガティブなことばかり頭に浮かんで、行動に移せなかった。
でも、ここまで来たんだし!
そう思いながら、インターホンに人差し指を当てた時だった。
ーーブォォォ
辺り一帯に大きなバイクの轟き音と、けたたましいクラクションの音が響いた。
「な、なに……?」
思わず手が止まり、あまりの爆音に耳を塞ぐ。
振り返って辺りを見回すと、何台ものバイクがこっちに向かって走って来ていた。



