この時間、家にわたししか居ない。 お母さんは家のことで手一杯らしく、こうして時々お使いを頼まれることがあった。 「わかった」 面倒くさいと思いながらも、渋々立ち上がってカバンを手にする。 「ありがとう、助かるわ。お金、ここに置いとくわね」 ニコッと笑ってから、お母さんは机の上にお金を置いた。 そして、すぐさま部屋を後にしようとする。 わたし、今回赤点取らなかったよ!! 思わずそんな言葉が口から出そうになったけど、グッと堪えた。 そんなのは、お母さんからしたら当たり前のことだから……。