「帰ってさっさと勉強しろよ。二度と俺に話しかけるなよ」



この前とは明らかに違う緊迫した空気に、心が押し潰されそうで。


低く冷たい声を聞いて、にこやかに笑っていた一条君が、幻のように思えて仕方なかった。



「な、なんで……急にそんなこと」



わけが、わからないよ。


この前までは普通だったのに。


わたしが何かしたって言うのなら、理由を教えてほしい。



「元々、そういう約束だっただろ?俺はお前に勉強を教えるって。終わったんだから、もう関わって来るんじゃねーよ」



「そ、そんな……」



一条君は、鋭い目付きでギロッとわたしを睨み付けた。