どうして急にこんなことに……。
「おい!聞いてんのか?」
いつの間にか、一条君はわたしの目の前に立っていた。
冷たい瞳で見下ろされ、返事をすることが出来ない。
どうして、そんな目でわたしを見るの?
何もしてないはずだけど、気付かない内になにかしてしまったんだろうかと不安になる。
わからない。
……わからないよ。
「はぁ」
俯くわたしに、一条君が呆れたようにため息を吐いた。
「ちょっと来い」
そして、腕を掴まれて勢い良く引っ張られる。
わけがわからなかったけど、何も言えないまま廊下を歩かされて。
一気に階段まで連れて来られた。



