そりゃモテるに決まってる。 本当は恐くないって、ただ、そんな風に見えるだけなんだって知ったら、もっと人気が出るよね。 優しいもん、一条君は。 今以上にモテるに決まってる。 なんだか、それはヤダ。 クラスの女子が一条君に騒ぐ声に、心にもやっとした黒い感情が溢れる。 やめて。 一条君を見ないで。 ダメだ、わたし。 相当好きじゃん、一条君のこと。 胸が苦しい。 さっき、テストに集中しようって決めたのに、一条君の名前を耳にしただけで簡単にぐらついた。