未だ座り込んだままのわたしは、立つことが出来なくて彼の背中を凝視する。
すると突然その背中がくるりと振り返って、わたしの方を向いた。
ドキン
目を見張るほどの整った容姿。
大きな瞳は鋭く細められ、まるで獲物を狩る狼のよう。
明るめのブラウンの派手な髪。
緩く締められたネクタイと、カッターシャツから覗く逞しい胸板。
抜群の容姿とその雰囲気は、鋭い彼のイメージにピッタリで。
まさしくイケメン。
初めて男子を見て格好良いと思った。
でも
う、うわー………。
に、睨まれてる。
「で、何?」
「えっ……?」
突然話しかけられてかなり戸惑う。
何?ってなに……?
わたし、何でここに来たんだっけ……?



