「じゃあ、またな。今のお前なら、明日もう一回復習すりゃ余裕だから」 改札に着いたところで、手短かにそう言い立ち去ろうと踵を返した。 「あ、ありがとう……!返事……待ってるから」 琉羽に背を向けたまま、片手を上げて見せた。 そして、歩く速度を早める。 返事、か……。 さっきまで、あいつの腕を握っていた手を思わず見つめる。 細くて、華奢な腕だったよな。 すぐに折れてしまいそうで、弱々しくて。 思わず守ってやりたくなるような、そんな腕だった。