簡単に、好きなんて言うんじゃねーよ。 優しくしてくれる奴なら、誰でもいいのかよ? 単純なこいつのことだから、勉強を教えたのが俺じゃない別の男だったら、きっとそいつを好きになってたんだろ? ちっ。 ムカつく。 「あ、あの……一条、君?」 「なんだよ?」 上目遣いで見られて、不覚にもドキッとする。 なんでこいつなんかに俺が。 ありえねーし。 俺が、こいつを好きだなんて。