「一条君って、兄弟とかいるの?」 こんなに大きい家だと、たくさんいそうなイメージ。 「いねーし。こう見えて、ひとりっ子。親もあんま帰って来ねーから、一人暮らしのようなもんだし」 「そうなんだ。部屋余ってるんじゃない?もったいないね〜!一部屋分けて欲しいくらいだよ」 さっき廊下を通って来た中でも、5部屋くらいはあったと思う。 こんなに可愛いお家に住んでみたいというわたしの憧れ。 フッ 目を輝かせながら言うわたしを見て、一条君は頬を緩ませた。