「よう」
ぼんやりしながら柱に寄りかかっていると、前から一条君がやって来た。
「あ、お、おはよう……!」
ーードキッ
腰で履いたジーンズに、黒のダウンを羽織った一条君。
背が高いのとカッコ良いのが合わさって、すごくオシャレに見える。
学校にいる時とは違って、私服だとなんだか新鮮で。
また違った一面を知った気になって、嬉しさが込み上げて来た。
「お前、中学生みたいだな」
プッと笑いながら、一条君はわたしを見下ろす。
ちゅ、中学生……?
「ひ、ひどい……」
そりゃ、オシャレでもないし……。
子どもっぽいってよく言われるけどさ。



