ど、どうしよう……。 手、手が……! 一条君と手を繋いで歩いてるよ。 いや、正確には……掴まれて、引っ張られてるだけなんだけど! それでも十分緊張しちゃう。 「あの……!あ、ありがとう……」 右耳に光るシルバーのピアスと、無造作にセットされた明るいブラウンの髪。 そう言うと、一条君はチラッとわたしを見て口元を緩めた。 「別に。俺、ああいうの嫌いだし。ってか、あいつらも苦手だし」 眉をしかめながら呟く一条君。