ドキドキして落ち着かない。 カ、カッコいいよ……。 こんな時なのに、変だよねわたし。 「い、一条君……!」 わたしの目の前にいたギャルが、さっきまでとは違う高い声を出した。 そして、明らかにビックリしたように目を見開いている。 少しだけ頬もピンクに染まっていて、やっぱり一条君を好きなんだなって思った。 他のギャル達は、圧倒的なオーラを放つ一条君に顔を引きつらせていた。 「よってたかって、何やってんだよ?」 いつにも増して低い声。 その顔で睨まれたら、誰だって恐いに決まってる。