イヤイヤながらも、大人数に囲まれて断るわけにもいかず……。



両脇からガッと腕を掴まれて、無理やり引っ張られた。



そして連れて来られた場所は、旧校舎と新校舎のちょうど真ん中にある広場。


ここは、旧校舎に用事がある人しか通らない場所で、人目につきにくい。



「あんたさー」



その声と共に、いきなり鋭い目付きでギロリと睨み付けられた。


声も低くなって、明らかに敵対心剥き出しといった感じ。



こ、怖いよー!


わたし、恨まれるようなことした?



「一条君のなんなの!?」



腕を組んで、上から見下ろして来るその人は、鬼のような形相でわたしを睨み付けて来る。