「じゃあさぁ」 口元を緩めて笑いながら、一条君はわたしの顔をまっすぐ見た。 色気を含んだその瞳に、何も言えなくなって言葉に詰まる。 ドキドキと高鳴る鼓動。 「俺と付き合えよ」 「えっ?」 つ、付き合う……!? それは、どういう……。 「彼女になれって意味。何でも聞くって言ったよな?」 えっ……!? か、彼女……? ええっ!? なんでいきなり? ありえない展開にしどろもどろになる。 目を泳がせて、自分でもわかるくらい明らかに挙動不審なわたし。