だけど。 気まずそうに頬をかく一条君を見て、その言葉がウソじゃないってわかった。 胸にじんわりしたものが広がって、言葉に出来ない気持ちが込み上げる。 「あ、ありがとう……!わたし、本当に頭が悪いから、親からも見離されてて、誰かに褒められたこともないし。一条君がそう言ってくれて、嬉しかった」 言った後、唇をギュッと噛み締めた。 嬉しくて、涙が溢れそうになったんだ。