今まで、こんな気持ちになったのは生まれて初めて。
2週間だけ付き合った元彼でさえ、ドキッとしたりすることはなかったのに。
淡い色のポップな外装のクレープ屋さんは、シンプルなお店しかない駅の中でひときわ目を引く。
オープンしたばかりだからなのか、少しだけ行列が出来ていた。
一条君が列に並ぼうとしてるのを見て、わたしも慌てて後を追った。
しばらく無言のまま並んでいたけど、周りの女の子からの視線を痛いほどに感じた。
みんな目をハートにしながら、一条君をチラチラ見つめている。
やっぱり、カッコいいもんね。
モテる、よね。
ーーチクッ
なぜか胸が痛くて、隣にいるのがわたしで申し訳ない気がして来た。
「何にするんだ?」
「え?」
隣から顔を覗き込まれてハッとする。
いけない。
クレープ選ばなきゃ。
順番が来たのに、ぼんやりしちゃってた。



