だけど当の一条君は、そんなことお構いなしにわたしのノートに解説を始めた。 ほんのり赤く染まっていく頬。 わかってる。 緊張して落ち着かないのは、わたしだけだってこと。 こんなにカッコ良いと、思わぬところで意識しちゃうからダメだよね。 集中しないと。 「わかったか?」 まっすぐ見つめられて、また鼓動が飛び跳ねる。 「うん」 それを隠すように冷静を装って返事をした。