「……っ。せ、正解」 悔しそうな声で、数学教師は言い放った。 その瞬間、教室内にどよめきが起こる。 「やっぱり一条君すごっ」 「こんな問題、塾でもやったことないんだけど!」 「カッコ良いよね〜」 なんて声があちこちから聞こえて、ふと顔を上げると数学教師は悔しそうに唇を噛み締めていた。 ざまーみろ。 心の中でそう呟き、また目を閉じる。 それからは特に当てられることもなく。 目が覚めた時には授業は終わっていた。