現代ではセンジュナマコと呼ばれており、超深海にしか生息していないはずの生物である。

この時代の者が目にすることはまずないはずの生物である。



「今朝の御勤めのとき、社(やしろ)の後ろで動けなくなっていたので連れ帰ってまいりました。」


悪びれもせずに百合はそれを愛でる。



「ひ、姫さまがいつもそのようなものを連れておられると城下の者たちが悪い噂を流しまする!早う捨てなされい!!」


顔を茹で蛸のように赤くしながら岬平は叫んだ。