「嗚呼、姫さま!探しましたぞ!」 「ーーまったく、じいはいつも心配が過ぎますわ。わたくしはもう数えで十六になりますのに。」 第十三代深海家姫巫女、百合姫はたおやかな腰まである黒髪をうっとうしそうに掬(すく)った。 白い澄んだ肌にきりりと少しきつい目。 豊かな黒髪には母から代々と受け継がれた紅珊瑚の髪飾りが煌めいていた。 「本日の御勤め、滞りなく果たされたでしょうな?!」 と、鼻息荒く岬平は息巻いた。