「父上がこんなに急にお戻りになるとは...何か隣国に良からぬ動きでもあったのかしら...」 嫌な予感が百合の胸をよぎったが、身支度を整えるために踵(きびす)をかえした。 ーーそして数刻後。 城に帰り、身を清め腹を満たした藩主、深海鯨達は大広間に座していた。 鯨達の傍らには深海家付忍び組頭、撞木(しゅもく)が控える。 一段低い所に、百合たちは座していた。