深海家奇譚




海よりの使いは何かの前触れ。


それが豊漁の知らせであることもあれば

天災を告げることもある。




特に、このような異形のものは海の深きところに棲んでおり、

深き海よりの使いが多く上がるときは
良からぬことが起こることが多いと母上は仰っていた。



「いつにも増して気を引き締めてお役目を果たさねば...」



声無きものたちの声を聴き
この美波をいのちを賭して守るため。