そして百合に近付くとバッとそれを取り上げてしまった。 「姫さまが捨てられぬようならば拙者が捨てて参る!!」 がっしりとそれをつかんだまま踵(きびす)を返して去ってゆく岬平。 「止めてじい!その子はまだ力が戻ってない!わたくしから離しては...!!」 と百合が叫ぶやいなや一陣の風が吹いた 。