くれなゐの宮


彼は何を思ったか、今度は私の背中に腕を回し髪を触り始めた。


「やめろ…!こんな事をして、ただ事では済まさぬぞ!」


「全く横暴なのはどちらの方か…。所詮神と言えど国のお飾りにすぎん。いい加減私の言う事を聞いてみては如何かな。」


するりと服の隙間から王の手が割り込む。


「っ、」

「神など大袈裟な…たかだか異国の地の人間、小娘の癖に…」


いよいよ片手で彼が私の顔を隠す布を、取ろうとした時――。



「少々、お戯れが過ぎるのでは。」



突然、背後から声が聞こえ王の手が止まる。

ふと視線を向ければ、そこには水瓶を抱えたまま佇むチサトの姿があって。


彼は片方の手で王の手を押さえつけたまま水瓶を置き、その手で私を王から引きはがした。


「…貴様…、」